著者:高崎宗司
ジャンル:日本近現代史/思想
四六判(タテ188mm×ヨコ128mm) 上製本 436頁
定価:本体3,200円+税
ISBN 978-4-89618-062-6 C0021
2014年12月15日発行
装幀:菊地信義
韓国・朝鮮に対する「妄言」が繰り返される要因を、近代以降の知識人や政治家たちの朝鮮観から解明する。
1990年の初版以来、96年、2002年と2度の改訂を経て、内容を充実させ読み継がれてきた。
3度目の改訂にあたり、竹島=独島問題への考察と、知識人の朝鮮紀行を読み直す論考が加わった。成田龍一氏による著者の全著作を取り上げた詳細な「解説」と、和田春樹氏の解題付きで「定本」とした。ヘイトスピーチや「慰安婦」をめぐる問題の本質を考える指針となる書である。
▶︎目次
1. 誘導・脱亜・脅迫の系譜――福沢諭吉
2.「信仰の兄弟」――内村鑑三
3.日本人の三・一運動観
4.日本人の朝鮮統治批判論――吉野作造・中野正剛・柳宗悦・石橋湛山・末広重雄・矢内原忠雄
5.朝鮮問題への公憤と芸術への思慕――柳宗悦
6.朝鮮の土となった日本人――浅川伯教と浅川巧
7.植民者のための牧師――秋月致
8.堤岩里虐殺事件と長詩「或る殺戮事件」――斎藤勇
9.植民政策学者の朝鮮観――矢内原忠雄
10.朝鮮民族性悪論――細井肇
11.「妄言」の原形――久保田貫一郎
12.「遺憾」「反省」の裏側――高杉晋一・椎名悦三郎・佐藤栄作
13.韓国併合条約をめぐって――村山富市
14.「日本は韓国で良いこともした」――江藤隆美
15.妄言の系譜――資料と解説
16.扶桑社教科書の朝鮮観
17.歴史教科書問題への提言
18.補償問題は日韓条約で解決されたのか
19.新生党党首の「反省」と「決意」
20.日朝交渉と日韓会談
21.歴史問題を軽視してはならない――竹島の領有権をめぐって
解説 成田龍一(日本女子大学教授)
定本版の刊行によせて 和田春樹(東京大学名誉教授)
▶︎著者プロフィール
高崎宗司(たかさき そうじ)
1944年。茨城県に生まれる。東京教育大学卒業。出版社勤務を経て、2013年まで津田塾大学国際関係学科教授を務める。専門は日本近現代史・朝鮮近現代史。主な著書に、『朝鮮の土となった日本人――浅川巧の生涯』(草風館)、『「反日感情」――韓国・朝鮮人と日本人』(講談社)、『検証 日韓会談』『植民地朝鮮の日本人』(ともに岩波書店)、『韓国民衆史
近現代篇』(木犀社)など。ほかに韓国の小説などの翻訳多数。