著者:梅田英春
ジャンル:ノンフィクション/民族音楽
四六判(タテ188mm×ヨコ128mm) 上製本 274頁(カラー口絵16頁)
定価:本体2,500円+税
ISBN 978-4-89618-056-5 C0095
2009年11月18日発行
装幀:菊地信義
秘めやかなガムランの音に乗せ、木槌をたたき、人形を操り、太古の物語を語る人形遣い、ダラン。妙なる技を繰り出すダランに魅せられ、バリ島の村のワヤン一座に入門。椰子油の揺らめく炎に人形の影が舞う、スクリーンの奥の暗闇に連綿と受け継がれてきた芸の道を、一座の人びとに手をひかれながら歩む。独り立ちしたダランが、愛惜の念をこめて語る、バリのワヤン物語。
▶︎目次
プロローグ――トゥンジュク村のワヤンへの道
1.二人の師匠
2.一座とともに
3.ワヤンを学ぶ
4.人形を作る
5.村のレパートリー
6.ダランの謎
7.忘れられゆく儀礼
8.村の大事件
エピローグ――別れと再会
バリのワヤンの現在――2008年ふたたびバトゥングサル村へ
▶︎著者プロフィール
梅田英春(うめだ ひではる)
1962年東京生まれ。国立音楽大学楽理科在学中にインドネシアのバリ島のガムラン音楽に出会い、東京のガムラングループ「スカル・ジュプン」の設立に参画。卒業後、インドネシア政府奨学生となり、1986年から88年まで、バリ島のインドネシア芸術アカデミー(現インドネシア芸術大学)でワヤンを学ぶ。
帰国後、桜美林大学大学院、総合研究大学院大学でバリのワヤンと儀礼に関する研究を始める。国立音楽大学附属図書館勤務を経て、沖縄県立芸術大学音楽学部准教授、ライデン大学客員研究員を経て、現在は静岡文化芸術大学文化政策学部教授。専門は民族音楽学。ガムラン演奏者、ダランとしてバリ芸術祭に3度参加したほか、日本各地でガムランの演奏、ワヤンの上演を行なっている。
著書に『バリ島の影絵人形芝居ワヤン』(めこん 2020)、編著に『黒澤隆朝 東南アジア音楽紀行』(大空社 1987)、共著に徳久玉雄他編『地域・観光・文化』(嵯峨野書院 2001)、橋本和也・佐藤幸男編『観光開発と文化――南からの問いかけ』(世界思想社 2002)、杉島啓志・中村潔編『現代インドネシアの地方社会』(NTT出版 2006)、倉沢愛子・吉原直樹編『変わるバリ・変わらないバリ』(勉誠出版 2008)などがある。