著者:アユ・ウタミ
訳者:竹下 愛
ジャンル:小説(インドネシア現代文学)
四六判(タテ188mm×ヨコ128mm) 上製本 245頁
定価:本体2,200円+税
ISBN 978-4-89618-051-0 C0097
2007年5月25日発行
装幀:菊地信義
信仰を捨て農園の改革に身を投じる神父サマン、自由を手に心身の解放を求める4人の女たち。開発が進みグローバル化する首都ジャカルタを起点に、スマトラからニューヨークを行き来し出会い、性、宗教、政治のタブーに挑みつつ、新たな愛と生の形を探る。インドネシア現代女性文学の金字塔。
▶︎著者プロフィール
アユ・ウタミ(Ayu Utami)
1968年、インドネシアのボゴールに生まれる。ジャカルタで育ち、インドネシア大学文学部ロシア語学科に学ぶ。卒業後、雑誌編集者としてジャーナリズムの世界に入る。
スハルト政権下、民主化と言論の自由を求める声の高まりのなかで、1994年、報道週刊誌「テンポ」など3誌が発禁処分を受けた際に立ち上げられた非合法の「インデペンデント・ジャーナリスト・アライアンス」に名を連ねる。
これがもとで職を失い、文化団体「コミュニタス・ウタン・カユ」の活動に加わる。1998年、スハルト政権崩壊とほぼ同時に最初の小説『サマン』を発表し、ジャカルタ芸術協会のコンクールで大賞を受ける。空前のベストセラーとなり、オランダ語と英語にも翻訳された。
2000年、続編『Larung』を出版。
▶︎訳者プロフィール
竹下 愛(たけした あい)
1968年生まれ。大阪大学大学院言語社会研究科修了博士(学術)。東京外国語大学非常勤講師。インドネシアの現代文化・文学研究。共著に『インドネシアのポピュラー・カルチャー』(めこん 1995年)、『東南アジアのポピュラーカルチャー』(スタイルノート 2018)。