編著者:インドネシア国立文書館
訳者:倉沢愛子・北野正徳
ジャンル:インドネシア近現代史/地域研究
四六判(タテ188mm×ヨコ128mm)ソフトカバー 323頁
定価:本体2,700円+税
ISBN 978-4-89618-017-8 C0022
1996年8月15日発行
装幀:菊地信義
支配する民族と支配される民族の旗は、日の丸と「メラ・プティ」、奇しくも同じ紅白旗だった。ふたつの紅白旗に象徴される3年半にわたる日本占領時代の封印された記憶をよみがえらせ、インドネシアの人びとは証言によって歴史の空白を埋める。原書は1988年刊。
▶︎目次
1 日本占領時代のあらまし
統治・行政/日本文化の伝播
2 日本軍政の始まり
統治・行政/隣組
3 ジャカルタの暮らし
住民の健康状態/宗教生活/婦人会活動
4 青年たちの大量動員
青年訓練所/青年道場/青年団・警防団/防衛義勇軍(ペタ)
5 芸術家たちの貢献
啓民文化指導所/映画人たち/画家たち
6 日本占領時代の教育
中学校、高等学校、大学/スマトラ・タワリブ学校、スマトラ興亜訓練所/
教育の内容/教育に使われた言語/教師たち/軍隊式の規律
7 スマトラ義勇軍
回想の中の義勇軍
8 独立宣言のころ
独立宣言の伝達と紅白旗の掲揚/日本軍の武装解除と捕虜送還
訳者あとがき/倉沢愛子
参考文献
インドネシアの日本占領時代略年表
(略歴は刊行時のものです)
▶︎訳者プロフィール
倉沢愛子(くらさわ あいこ)
1946年大阪市生まれ。1970年東京大学教養学部卒業後同大学院進学。1979年博士課程単位取得満期退学。日本軍政期のインドネシア研究で1987年にコーネル大学から博士号。摂南大学教授、在インドネシア日本大使館専門調査員を経て現在名古屋大学大学院国際開発研究科教授。南方軍政資料集(龍渓書舎)として多くの東南アジア日本軍政関係資料の復刻版出版を手がけた他、主要著書として『日本占領下のジャワ農村の変容』(草思社 1992年)『二十年目のインドネシア――日本とアジアの関係を考える』(草思社 1994年)など。
北野正徳(きたの まさのり)
1965年大阪府生まれ。大阪外国語大学大学院修士課程修了。インドネシア近代文学専攻。共著『インドネシアのポピューラー・カルチャー』(めこん 1995年)。