著者:阿知良光治
ジャンル:短歌
A5判(タテ210mm×ヨコ143mm) 上製本 284頁
定価:本体3,000円+税
ISBN 978-4-89618-035-6 C0092
2006年3月20日
装幀:菊地信義
「アララギ」の写実に根差した短歌を作り続けてきた歌人の第一歌集。初期歌篇から学生時代を経て、長らく教育にたずさわってきた期間の生活詠、職場詠を収める。
▶︎目次
北の大地のなかで――序に代えて(雁部貞夫)
1 昭和40年~昭和50年
2 昭和51年~平成10年
3 平成11年~平成13年
4 平成14年~平成17年
赤き赤き太陽を背に引揚げしと母の満州の記憶は淡し
閉ざしたる坑道に埋もれ救はれし人を見つめる父逝きし子が
桑の木に残る枯れたる葉の二枚今日もあるよと妻の言ひ来る
インターチェンジ下りれば内浦湾に雪荒れてセピアの海に鳥の影なし
わがいらだちをすぐに察する児童ゐてチョーク折れたる時に笑へり
▶︎著者プロフィール(略歴は刊行時のものです)
阿知良光治(あちら みつはる)
昭和19(1944)年、中国東北部(旧・満州)吉林省敦化に生まれる。終戦により北海道へ引き揚げ、室蘭、札幌に住む。北海道教育大学で国文学を専攻。昭和40年、「北海道アララギ」「アララギ」に入会。平成10(1998)年、「新アララギ」に入会。長年にわたり、小学校教育にたずさわる。北海道教育大学非常勤講師。