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うらやまし猫の恋

越人と芭蕉

著者:吉田美和子


ジャンル:評伝/俳諧・俳句
四六判(タテ188mm×ヨコ128mm) 上製本 365頁
定価:本体2,800円+税
ISBN 978-4-89618-053-4 C0095
2008年2月20日発行
装幀:菊地信義

装画:吉田美和子


純真の証――蕉門十哲・越智越人の数奇な生涯

あやしい猫の句に誘われ越人を追い、俳諧の深みにはまる。うちつどい興じるさんざめきのまにまに、尾張・伊良湖・更科・江戸深川……夢のような旅路の果てに芭蕉に捨てられた男の歯軋りが聞こえる――げに恐ろしい風雅の魔神の物語。


▶︎目次
1. 越人――北越からの流れ者
2. 二人見し雪――『笈の小文』伊良湖への旅
3. 道化を愛す――雪見にころぶもの
4.『更科紀行』への随行
5. 深川の夜――江戸蕉門との交流
6. 芭蕉の大垣帰還
7.『ひさご』――元禄3年の越人
8.『猿蓑』に潜む亀裂
9.「心に俗情あるもの」――越人伝説の生成
10.「離反」の真相――路通注進事件
11.元禄7年、佐屋街道の別れ
12.芭蕉の死、越人の不在
13.追憶の日々――晩年の越人
14.越人没後


  おわりに
  越人・芭蕉 略年譜


▶︎著者プロフィール
吉田美和子(よしだ みわこ)
1945年、岩手県に生まれる。東北大学文学部国文科卒業。主として大正・昭和初期の現代詩人論を試みる。また江戸俳諧に親しみ、俳句・連句・俳画を楽しむ。1993年、市立小樽文学館「海の聖母――詩人吉田一穂展」を監修。主著に『吉田一穂の世界』(小沢書店 1997年)、『宮沢賢治――天上のジョバンニ・地上のゴーシュ』(小沢書店 1997年 第13回岩手日報文学賞賢治賞受賞)、『一茶無頼』(信濃毎日新聞社 1996年)、『小熊秀雄・夜の歌』『海を見ていた方哉』(桐々舎 1995年)、詩集に『木槿の時間』(2004年)などがある。