拡大(帯なし)
拡大(帯なし)

つい昨日のインド

1968~1988

著者:渡辺建夫


ジャンル:ノンフィクション
四六判(タテ188mm×ヨコ128mm) 上製本 277頁
定価:本体2,300円+税
ISBN 978-4-89618-032-9 C0095
2004年4月5日発行
装幀:菊地信義
カバー装画:山﨑範子


1960~70年代、著者自身をふくめ、多くの日本の若者がインドを目ざした。著者は1968年にインドを初めて訪れ、その後幾度もインドを旅し長く滞在する。本書は旧友で優れた翻訳家でもあった永井保(サタジット・レイ監督の映画『大地のうた』の原作となった本の翻訳者)の死をきっかけに書かれた。「インドにもっとも深く関わった者の死」に触発され、彼の生の軌跡とあわせて、自らが生きた「インドの時代」を問い直す。

▶︎目次
プロローグ――2000年の宇宙恋愛遊戯
1 インド発見
    リトル・マガジン『コッラニ』の誕生
    冒険としての旅
    日本脱出と放浪
    アジア的世界
    ヒッピーとベトナム戦争
    インド憧憬
    コミューン運動
2 インド修業
    関西「AALAの会」
    カルカッタ遊学
    インド音楽修行
    ベンガル黄金の日々
    作品集『わたしの戦線』
    ヒンディー語勉学
    アジア・アフリカ語学院
    精神的帝国主義
3 インド祝祭
    ライブハウス・下北沢あしゅん
    芝・増上寺のインド祭
    旅行雑誌『オデッセイ』
    「プレーム・シネマ」
    ミニコミ情報誌『インド通信』
    タゴール祭
    アジア文化フォーラム
    「ラーマーヤナ」劇と『大地のうた』
4 インド漂流
    お別れコンサート
    タントラ行
    「民衆」信仰
    辺境の消滅
    「インド祭 日本1988」
    祭のあと
5 インド終末
    旅の終わり
    息の長い女たち
    インド式貧乏趣味
    『キリング・ウインド――窒息させられた国・日本』
エピローグ――クリシュナか、トリックスターか

▶︎著者プロフィール
渡辺建夫(わたなべ たてを)
1942年、神戸市に生まれる。日本大学芸術学部放送学科卒業後、コピー・ライター、PR誌編集、キリムの輸入業などに従事。2005年、インドのネルー大学スクール・オブ・アートで聴講。
著書に、『インド青年群像』『インド最後の王』『インド反カーストの青春』(以上、晶文社)、『メキシコ革命物語』『タージ・マハル物語』(以上、朝日新聞社)、『キリムへの旅 トルコへの旅』(木犀社)、訳書に『不可触民の民俗と宗教』(人文書院)がある。